社会福祉資源について
レット症候群の患者さまは、運動障害と知的障害をもっておられ、また多くの方にてんかんがあるので、医療関係医者のみでなく、親御さま、養育者の方も知っておく必要があります。現在、毎年の変更もあり、地域差も少しあるため市町村などの自治体の申請窓口で確認することが重要です。
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Q
どのような医療助成がありますか?

- 子ども医療費助成
子ども医療費助成制度(乳幼児医療など)。自治体が決定している助成制度なので、市役所や区役所、町役場で申請します。各自治体が、小児の医療費の自己負担分の一部、または全額を負担する制度です。
小児慢性特定疾患医療制度
2014年まで、小児慢性特定疾病医療助成と呼ばれていました。レット症候群はこの中に含まれているが、2015年1月から改訂されました。18歳までが支援対象ですが、20歳まで延長可能です。重症でも2分の1負担。訪問看護なども助成対象です。申請は保健所で、診断書は都道府県知事が指定した指定医に限定されています。
障害児医療制度
心身障害児・者が医療を受ける際、医療保険の自己負担分を助成するものです。対象は身体障碍者手帳1級・2級もしくは、療育手帳Aの患者、Bの場合は障害者の条件があります。需給には所得制限があります。
難治性疾患(難病)
厚生労働省が決めた用語で、発病の機構が明らかでなく、治療法が確立しておらず、稀少な疾病であって、長期の療養を必要とするものと定義されています。レット症候群はこれに入っています。
自立支援医療(精神通院医療)
てんかんも入っており、レット症候群ではてんかんを有する場合に適応があります。通院医療にかかる10%が自己負担になります。受給には所得制限があります。
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Q
どのような手帳制度がありますか?

- 身体障害者手帳
身体障害者福祉法に定める身体上の障害(肢体不自由、視覚障害など)により、障害者手帳制度があります。レット症候群は肢体不自由により申請することが多いようです。手帳により受けることが可能な制度は、手帳の等級(1~6級)で異なりますが、福祉機器や装具の交付等、税関係(所得税、住民税、自動車税等)の控除および減免、JRやバスなどの公共交通機関の割引などがあげられます。
療育手帳
児童相談所または知的障害者更生相談所において知的障害者であると判定された児(者)に対して交付される手帳です。手帳を所有することにより受けやすくなる援助措置は、特別児童扶養手当、国税、地方税の諸控除および減免、公営住宅の優先入居等があげられます。程度は重度(A)とその他(B)に区分されます。申請は、各市町村の役所(役場)になります。
精神障害者保健福祉手帳
精神障害の状態にある児・者が各種の福祉制度上の支援、援助を受けられることを目的にしています。手帳があれば、税の控除、減免がメリットです。ガイドヘルパー、移動支援事業の利用が可能になります。申請は、市区役所・町役場の担当窓口です。診断書作成には、精神保健指定医か、その他精神障害の診断、または治療に従事する医師による所定の診断書が必要です。現在は、主治医として携わっている場合、小児科医でも記載可能になりました。
障害基礎年金
障害者手帳1級または2級に相当する方が、20歳になったときに受給権が発生します。申請は市区役所、町役場の国民年金窓口や年金事務所などで、所定の診断書が必要です。現在は、患者さまが小さい頃からの主治医であり、資格をもっていれば小児神経科医師でも書類作成が可能になりました。